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第1回 「システム間連携ツール」とは何か

こんにちは、フューチャーシステムコンサルティングの渡辺 慎一です。
こちらのページでは、今後4回に渡って、システム間連携およびネットワークのテクノロジーについてご紹介します。
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第一回 「システム間連携ツール」とは何か


1.序論

 1990年代から始まった企業システムのオープン化・分散化の急速な進展は言うまでもありませんが、これに並行して複数のシステム間を繋ぐ「システム間連携」(インターフェース)の重要性が近年非常に高まっています。
企業のシステム投資額全体に占めるインターフェース開発の割合は年々増加しており、一般的には30~40%程度とも言われ、インターフェース構築を伴わない新規のシステム開発などあり得ないほどです。従ってIT部門にとってシステム関連投資・経費コストを抑えるためには、システム間連携の構築を如何に効率良く進めるかが大きなポイントとなってきました。
しかしシステム分散化の進捗度合に比してシステム間連携への対応が追いついていない企業が多く、次のような課題を抱えているのが現実です。


2.システム間連携における課題

 従来のシステム間連携における接続形態は、要件が発生した段階でシステム間を直接繋ぐ「メッシュ接続」が一般的です(図1)。この形態は企業システムのホストがメインフレーム主流、例えば「基幹系~情報系システム間」といった極めて単純なインターフェースで事足りた時代には、それ程問題とはなりませんでした。しかし基幹系システムそのものが業務単位に細かく分散化した現在では、複数のシステム間で多対多の複雑なインターフェースを構成するようになり、数多くの課題が発生しています。

 この「メッシュ接続」ではインターフェースの組み合わせ毎に開発が必要であり、接続対象システムへの改修も個別に掛かります。またマルチベンダー化が進んだ企業システムでは、保有するホストもメインフレーム・UNIX・PCサーバーと多岐に亘りますので、データ送受信の際の文字コードや通信プロトコルも様々です。そういった機種間の仕様による差異を吸収しながら、個々にインターフェース機能を構築・維持管理していくのは容易ではありません。
従ってインターフェースの個数が増えれば増える程、IT部門にとってその後の保守や運用/障害管理がますます困難になり、結果インターフェース機能の構築・維持管理のコストも上昇していくといった「負の連鎖」が続いていくのです。


3.シームレスなシステム間連携を実現する「EAIツール」

 このような背景から最近では一般的に「EAI(Enterprise Application Integration)ツール」と呼ばれる、インターフェース基盤を構築するためのソフトウェア製品がIT関連ベンダー各社から提供されています。EAIツールは企業システム群の中心に位置し、周辺システムと手を繋ぐ形で導入されます。そしてどのようなシステムに対しても、連携を行う上で必要な機能要件~接続可能な機種や通信プロトコル、文字コード変換等~を網羅することにより、従来解決が困難であったシステム間の仕様の差異を吸収する役割を担っています(図2)。

 EAIツールの導入によりシステム間連携の全体像が非常にシンプルとなり、連携機能の多くがEAIツールに集約/一元化されます。そうなると、新規システムとの連携や既存インターフェースの改修箇所の大部分がEAIツールに限定されるため、構築作業のボリュームを極小化することが出来ます。また同様の理由で企業システムにおけるインターフェース網全体の「可視化」が進み、日々の運用や障害発生時の対応も非常に容易になります。


 こうした企業システムへの変化対応力の強化やインターフェース構築・維持管理コストの削減を実現するのが、EAIツールなのです。
EAIツールはマーケットで徐々に進化を遂げています。接続可能な機種(PCから各社メインフレームまで)や通信プロトコル(MQ・HULFT・FTP等々)の技術範囲を時代に合わせて拡張しているのは勿論、例えば利便性の向上を狙って、システム間連携の構築に必要な作業が全てGUIによる設定で可能な「コーディングレス」を標榜するものが殆どです。


 また送受信データに対し、文字コードの変換に加えて、データ定義上の項目に対し順番の変更や文字列変換を行い「リフォーマット」したり、システムが保有するコード値そのものを一定のルールで変換するなど、システム間の業務ロジックの差異をも吸収するものがあります。
そして最近では、市販ERPとの接続機能を標準で実装するもの、あるいは運用機能に着目しデータの送受信時限をコントロールしたり、運用状況をモニタリングする「インターフェース運用基盤」としての機能を提供するものが出てきました。


4.副次的効果をもたらす「EAIツール」

 このようなシステム間連携の基盤たる「EAIツール」ですが、導入により「システムとシステムをシームレスに繋ぐ」という本来の機能とは別の副次的効果を企業システムにもたらします。次回は、この効果についてお話しすることにします。

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これからの掲載内容は以下を予定しています。

■紹介内容(予定)
 第一回 「システム間連携ツール」とは何か

 第二回 「システム間連携ツール」利用による副次的効果

 第三回 「システム間連携ツール」選定のポイント

 第四回 最新技術への取り組み


(フューチャーシステムコンサルティング株式会社 テクノロジーサービス事業部 ディレクター 渡辺 慎一)

2006年08月25日 18:48